© たかやまそら

サンルーム

西側であえて日射取得してみるテスト。

サンルームってなんじゃ?

平井聖(1986)「サンルーム」『日本大百科全書:10』小学館、p.486 によると

日光浴を目的として特別に設けられたガラス張りの部屋をさすが、 近年は住宅において、建物内部で庭との中間的な環境をつくり、 なかばアウトドア風の生活を楽しむためにつくられた、建物の外に張り出し、 壁や屋根などの多くの部分をガラス張りにした部屋を、サンルー厶とよんでいることが多い。

とある。ということはガラス張りの部屋ならばサンルーム。建物の外に張り出さなくてもよいのだ。

ただの脱衣室だがサンルーム

てなわけで、ここが我が家のサンルームです。 西側を向いています。硝子南面す、じゃなくてもいいのです!

使ったガラスは複層ガラス。西側だけどあえて日射取得型。 壁紙はサンゲツの抗ウイルス、白をチョイスしたのは散乱光が欲しかったから。 ここの床は無垢材ではなくビニールクロスなのは耐水性が欲しかったから。

写真のとおり、ロールスクリーンは窓辺と洗面所側の2枚用意した。 内装工事の途中なので物が雑然と置かれているが、雰囲気は伝わると思う。 窓辺のそれは夜間の断熱用で「たかやま方式」。 デルタ電子のブースター循環ファンを入れて基礎断熱の床下暖房を能動的に吹き上げさせている。 洗面所側のそれは脱衣室として使うから。脱衣室として使わない場合は、視線の抜け感を演出する。

この家は正確な東西南北を向いていない。 家の西面が冬至の日の入方向に設定されている。これは別に祖霊崇拝でも他界信仰でもなく、 太陽光発電と眺望の兼ね合いからである。ともあれ南面といっても南南東を向いていて、 西面といっても西南西を向いている。つまり、 このサンルームは冬至のころでもサンルーム全体が輝くのである。

なお、この家は外用の車椅子の転回半径を計算に入れているため洗面・脱衣スペースが広くデザインしている。 サンルームと共有と考えることで健常者でも広さが有効に活用できるユニバーサルデザインとなっている。

照明はラインLED。他の部屋のラインLED照明は防水ではないが、 ここだけは風呂上りの強烈な飽和水蒸気により結露することを想定して全灌防水。

全館空調の設計としては、風呂・トイレのセントラルロスナイ還気となるため、 湿気がこもる心配はない。

感想

凄く良い。

日射取得型というのも効いていると思う、とにかく暖かくて気持ちが良い。

風呂・洗面所というのはややもすれば薄暗くて湿気のこもるイメージだが、 とても明るくて、本当に明るくて、いつまでも居たいスペースになった。

野生動物を見たくなったらサンルーム。 白樺林に鹿や狐や狸がみえるぞ!

風呂で熱くなったら、サンルーム。 床を濡らしても大丈夫なのでそのままバスタオルを敷いて寝そべってOK!

春や秋の休日はドレーキップを大きく開ける。狸の風鈴がチリチリーンと奏でる。 盛夏のさなかは勝手口からストーンデッキに出てもよい。 真冬の夜でも浴室天井埋め込み赤外線ヒーターであたたかい。

サンルームと脱衣所を西側にセッティングするとどうなるか、のテストケースとなりましょう。

© たかやまそら