© たかやまそら

洞窟都市 訪問記 1

幻想的な朝霧に旅行者はうっとりするが、その正体は……。

防虫剤

霧が立ち込める幻想的な風景に旅行者は夢を見がちだが、実際に暮らしてみると大変らしい。 このタイプの都市には蚊がいっぱいいて住人は凄く嫌な思いをしていた。 そこかしこで幻想的に立ちのぼる霧の様なもの、実は防虫のための燻煙という。

蚊を撲滅しようと、かつて水に殺虫剤を流したこともあったが、 水中のプランクトンが全滅し、それを餌とする魚類も死滅し、 却って環境が悪化した苦い経験があったという。洞窟都市の真の夜明けはまだ遠い。

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