© たかやまそら

洞窟都市 訪問記 8

森林都市の行き着く先は円筒アルコロジー。

タイタンの腰掛が上下に結合

森林都市が発展を続けると、タイタンの腰掛が上下に建築物で結合を始める。 その結果、本来の樹林を完全に覆う円筒状のシェルが出来上がり、 煙突効果により排気は受動的に地表へ輸送されるようになる。 円筒アルコロジーの登場である。

水を作動流体とした循環ネットワークと比べると、 空気を利用した受動輸送はトータルのコストパフォーマンスがよい。 ただし、エアフローを考慮した都市全体の設計が必要で、 次第に古い都市ブロックが廃棄され、見通しが良くなる。

すなわち、都市全体を支える本来の大森林を省略し始め、 人工的に計算された主要な柱で地表を支えるようになる。

ちなみに空中に浮遊しているように見える島は、実際には 人工的な天井や柱から張り巡らされる細いワイヤー網で支えられている。 天井から鍾乳石のようにぶら下がっている構造は一つ一つが都市であり、 合理化により整理された古い都市ブロックが本来の地権者である。

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